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第22回「認知症予防のカギは≪睡眠≫が握っていた?!」

お久しぶりです!

今回の理学療法士通信の担当は最近、睡眠の勉強がたまらなく楽しい福島です。 今日はその学びをシェアします。 2017年のユーキャン新語・流行語大賞に「睡眠負債」という寝不足の蓄積を示す言葉がノミネートされました。 博報堂調べによると2018年に私生活で力を入れたいことランキングの1位はなんと 5位「貯蓄」 4位「家族との時間」 3位「健康」 2位「趣味」 と、これらを抑えて 堂々の第1位が《睡眠》でした。 近年大注目の睡眠。 その中でも睡眠と認知症の関係性について、今日は記していきたいと思います。


認知症と睡眠。 一見何の関係もなさそうな両者ですが、実はとても深い結びつきがあります。 認知症は年を重ねていくと、症状の大小は人それぞれですが皆さん症状を有します。 例えば ●物忘れが増えた ●最近のことを思い出せない のような、ちょっとしたことから始まり、 だんだん症状が大きくなると、 ●家族のこともわからない 状態となってしまうこともあります。 とても悲しいことです。

もし今あなたの隣にいる大切なパートナーや大好きな友人や家族が自分の事をわからなくなってしまったら。 胸が締め付けられる思いです。

この認知症の6割をしめるのが 「アルツハイマー型認知症」 という認知症です。

アルツハイマー型認知症は 脳にアミロイドβという、脳が働いた後に出る燃えカスのようなモノが貯まってしまい、神経同士の情報が邪魔されてしまう結果、記憶障害等の認知症の症状を引き起こすと言われています。

ということは、アミロイドβの排出がうまくいけば、 認知症の予防が出来たり、ひどくなるのを防いだり出来そうですよね。

ではこのアミロイドβの排出を人の脳はどのように行っているか。

実は人の脳は頭蓋骨の中にぎっしり詰まっているわけではなく、「脳脊髄液」 という保護液に浮かんでいます。 これがあるので、転んだりぶつけたりして頭に衝撃が加わっても、脳みそを痛めすぎずに済みます。

それに加えてこの脳脊髄液は脳の老廃物、つまりアミロイドβの排出をしてくれています。

この脳のアミロイドβの排出を効率よく行っているタイミングが 「睡眠中」 なんです。

日中にも少し排出はしているのですが、日中の活動中の脳は活発に動いているので、休んでいるときのよりも少しサイズが大きいので、脳脊髄液の通り道が狭いのです。

睡眠中は脳の活動が落ち着く為、活動中のりも脳のサイズが少し小さくなります。

これによって脳脊髄液が流れるゆとりが脳の中にできて、脳脊髄液が流れるのと同時にアミロイドβを排出してくれます。

例えば、年末年始の帰省時期の高速道路の渋滞をイメージして頂くとわかりやすいです。 日中の皆が動いているときは交通量が多いので渋滞が発生して、流れが悪くなってしまいます。 でも夜の皆が休んでいるときなら交通量が減るので、スイスイ流れていきますよね。 このようなイメージです。

特にこの脳脊髄液によるアミロイドβの排出はぐっすり深く眠っているときに行われるので睡眠時間を長くするだけではなく、ぐっすり深く眠る、つまり質の高い睡眠がとれることが重要となります。

これが、認知症と睡眠の関係性です。

認知症発生直前の状況をヒアリングするとほとんど必ず、 「よく眠れない」 と言う声を聞きます。

今現在認知症症状に悩んでいる方の声を聞いても、 「よく寝れない」 「睡眠薬を飲んでいる」 「お薬を飲んでも眠れない」 との声を聞きます。

興味深い事実です。

ではどうしたらぐっすり深く眠ることができるのか?

快眠方法については以前、船越先生が理学療法士通信に述べてくださっているので、そちらをご参照ください。

では、本日もお読みいただき、ありがとうござました(^^)

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